JF6DEU blog読み物/台本
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これを作った経緯
このメモをもとに舞台照明を説明するものを作ってみた。ただそれだけ。 で、人物は最小限で済むようにしてみた。 動きも最小限に。 | |||||
人物h:岡田響(オカダヒビキ) -- 子
l:岡田理奈(オカダリナ) -- 母 | |||||
1.ドラマ照明 地明かり30+下手サス+家庭サス+幕開けと同時に下手ネライ+家庭ネライ
音響 なし h:「私は、なんでこんなことしてんだって最近思うことがある。例えば、うれしくなったら体が勝手に動くし、悲しくなったらみんなに変なことを言ってしまう。そんな普通のことが、なんでだろうって思うことがあるんだ。」 hは数秒待つ。 h:「私は、そんなことが恥ずかしい。だから、それを消したいんだ...」 | |||||
2.家音響 効果音 1kHz sin waveを+8.0dbで歪ませたものを用意。サイドスピーカーからのみ。
照明 下手サス、ネライをCO。 hは2人に分けた方がいい。今回は人数削減のため1人でする。 lはテレビのリモコンを机に置く。lはhの帰りを待っている。lは代わりにノートを取って読む。 hが帰ってくる。 h:「ただいまー」 l:「おかえり。」 h:「ねぇ、聞いて聞いて!」 l :「なぁに?」 h:「今週の『私の家』撮った?」 l:「あー、あのドラマね。」 h:「そうそう!次回予告で主人公が倒れてしまうってあったからさ、もうどうなるかって心配で心配で...」 l:「面白くなくなったから途中までしか見ていないけれど、拓美がね...」 h:「だめーっ!!まだ見てないんだからー!」 l:「うわーびっくりした。」 h:「もーこっちがびっくりしたよー!なんで答えを言ってしまうんだよー...」 l:「ごめんごめん...」 h:「で、結局録画してくれた?」 l:「さぁどうかなぁ...もう容量がいっぱいなんじゃない?」 h:「えー...撮れてなかったらママのせいだよ?」 hはリモコンを2.5秒触る。 h:「げっ!」 l:「もしかして...」 h:「ない!」 lは立ち上がってhの方を向く。 l:「あー前のやつ消してないからねーすぐいっぱいになっちゃうの。」 h:「なんで...」 hはその場に座り込み、下を向く。 lは0.5s後にゆっくり座る。 l:「ごめんね...」 hは顔を上げて立ち上がる。 h:「いやいや、大丈夫...なはず...再放送もあるし...」 lはhの『いやいや』からゆっくり立ち上がる。 l:「だったら今見なくてもいいのに。」 hはゆっくり下を向く。 h:「明日の話題になる予定だったのに...」 lはhの方に手をかける。 l:「ま、大丈夫。ほら見て、あそこに明るい電球があるし。明日には明るい何かが待ってるよ。」 lはその手でゆっくりサスを"サス"。(あ、わかんなかった?指さすってこと。) hはそれに合わせて上を向く。 h:「...ってスケール大きすぎ。ってかこれステージのライトだし。」 l:「まぁまぁ、そんなことは言わないの。これもお父さんが遺した大事な遺品だし。」 h:「確かステージの電球ってすぐ切れるんだよね。それならLEDにしたら?」 l:「LEDタイプも持ってるの。」 h:「ふーん、っていうかこれ切れたらどうなるの?」 l:「私たちが消えちゃう。」 h:「消えるって?」 l:「それはまだあなたには早いの。まだ気にしなくてもいいことなの。」 h:「ならいっか。あ、あとずっと気になっていることを聞いていい?」 l:「うん、いいよ。」 hはサスの周りを一周しながら次のことを言う。 h:「なんでこの家はここで切れているの?普通の家ってもっと広いよね。なのに、なんでこの四角い枠しかないの?」 l:「うちの家はね、可変容量タイプって言うの。」 h:「何それ?」 l:「前から何回も言っているけれどこの家はお父さんの家なの。お父さんの仕事は『舞台演出家』だったの。で、こんなライトをいっぱい持ってたの。で、そのお父さんが子供の頃に作ったのがこの家ってわけ。床しかないから傾く心配もないし、広く使おうって思ったら広くできるし、狭く使おうって思ったら狭くなるし。今は最低限生活できるだけの大きさがあればいいから...って...ひびき?!」 hはその場をうろうろしたり上を見上げたりしていたが途中でサスから外れる。(外れてもうろうろする) hは歩いて元の位置に戻ってくる。 h:「玄関に行ってみたけれどライトがつかなかったよ?っていうか、玄関にライトなんてなかったよ?前はあったのに...」 l:「あーそれはね、仕込みをしていないからなの。この家にも弱点があってね、場所は大きくしたり小さくしたりできるけれど、『ここ』って決めた場所から外れた部屋、例えば玄関とかに行ってもライトが出てこないんだよ。」 h:「ふーん...じゃぁ、いつも『太陽を固定してる』って言ってるけれどあれって何?」 l:「あー太陽は消すこともできるよ。」 h:「え?!太陽を消すって?!それしたら私たち消えちゃうんじゃないの?」 l:「あー天井にくっついてるライトを消すと私たちは消えちゃうけど、太陽を消しても私たちは何にもならない。その代わり...」 h:「そんなことはいいからやってみたい!」 l:「うん。わかった。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 家庭ネライを一気に取る。 l:「こんな感じ。」 h:「へーすごい!電気ってスイッチを押して消すんだと思ってた。...ってかなんかこれ変じゃない?なんか黒いものが私にまとわりついているよ?」 l:「そっか。ひびきは『影』を見たことがないんだね。この世界では太陽が消えると『影』ってものができるんだよ。」 h:「ふーん。なんか変な感じ。じゃぁ、太陽をつけることはできるの?」 l:「うん。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 家庭ネライをゆっくりつける。 l:「こんな感じ。」 h:「あの...お母さんは何者ですか?理奈さんは本当に人なのですか?」 l:「やだなぁ、ただのお母さんだよ。ほら、あなたのママ。」 h:「あなたは本当に人なのですか?人だとしたら、なぜ電気と光を自由に操れるのですか?」 l:「どうしたの?急に敬語になって。もしかして、熱でも出たの?」 h:「ううん、冗談冗談。あ、家をもっと広げてみたい!」 l:「じゃぁ、やってみる?」 h:「うん。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 ゆっくり全照、家庭サス+家庭ネライを取る。 h:「すごい!広くなった!」 l:「ちょっと疲れたから休憩...」 lは机に座り、うつ伏せになる。 緞帳降りる。 h:「えっ?!ちょっと待って!なんかカーテンが自動で閉まってるし!」 緞帳が前明かりにかかるまで待つ。 l:「あっ!」 lは急に起きて机から立つ 緞帳止まる。 緞帳上がる。 l:「忘れてた!ごめん!私がいなくなるとカーテンが下がるんだった!」 h:「あーもうしっかりしてよー!!...てか、さっき太陽が隠れてまた影ができてたような気がする...」 l:「それはね、この家のカーテンが分厚いからなんだよ。お父さんは分厚いカーテンがいいって言ってゆずってくれなかったから何千万円というお金を使ってこの大きなカーテンを作ったんだ。」 h:「だから太陽が消えてしまったってわけ?」 l:「いや、正確にいうと太陽がカーテンに当たって影ができたんだよ。」 h:「ふーん...あ、たくさん影を作ることはできるの?」 l:「うん。例えば...」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 地明かりをとる l:「うしろ。」 h:「あ、影が3つになってる!」 l:「じゃぁ、2つにしてみようか。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 CLをとり、FRだけにする。 h:「2つになった!」 l:「じゃぁ、一つにしてみるね。」 h:「うん。やってみて。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 照明 CLをつけ、FRをとる。 h:「おぉー!!」 l:「いいかげん前向きなさいよ...もういいでしょ。」 lは頭に手を当ててしばらく待つ。 hは前を向く。 照明 全照 h:「なんで元に戻したの?」 l:「いい?この世界では影ができることをひどく嫌ってるの。だから、元に戻すの。」 h:「ふーん。だから私はいままで影を見たことがなかったんだ...こんなこと初めてかも。」 照明 FR、CLをCO。 h:「えっ?!何?」 l:「あちゃー...太陽が切れちゃった。使いすぎたかなー...買いに行かないと。ちょっと行ってくる!」 lは下手にはける。 h:「って太陽は切れるのー?!あれ?ちょっと待って。ママどこいくのー?!」 hは下手にはける。 終わり。 | |||||